諏訪市現場下見|窯業系サイディング外壁のシーリング劣化・目地のずれ
- 現地調査
①お問い合わせのきっかけ
諏訪市にある弊社諏訪倉庫で作業をしていたところ、お隣のお家のご主人がお越しになって外壁と屋根を見てほしいとのご依頼をいただきました。今年は雪が多かったので度々雪かきで顔を合わせるようになり、顔見知りになりました。そんな関係で外壁のメンテナンスをしたいと声をかけていただきました。早速その場で調査、点検に伺いました。大きな切妻屋根、レンガ調のサイディングの外壁のお家です。
②窯業系サイディングとは
窯業系(ようぎょうけい)サイディングとは
セメントと木質系繊維質を混ぜて板状に成型した外壁材で、外壁全体の8割がこの窯業系サイディングと言われ、圧倒的なシェアを持っています。セメントと繊維質が原料なのでそれ自体に防水性がなく、塗装することで防水しています。水に弱いというのが最大の欠点で、塗装による定期的なメンテナンス、シーリングの定期的なメンテナンスが必要です。
③外壁の現況~東面~ 目地の劣化が進んでいます
使用されているサイディングは 厚さ15mmの耐火サイディング 厚さ18mmの通気胴縁が入っている通気工法が取られていました。
現在のJIS規格では厚さは14mm以上、通気工法を推奨しています。築20年のこのお家ですが、20年前は15mmの厚さも通気工法も主流ではありませんでした。しっかりした工事をされているという感想です。
通気工法とは
胴縁という厚さ18mm、幅105mmの角材を縦に455mm間隔で取り付け、それを下地にサイディングを取り付ける工法です。建物の構造体と外壁材の間に胴縁の厚さ18mm分の隙間ができ、その隙間が通気層となって内部の水分を輩出させます
東面から見ていきました。サイディングボード自体はしっかりしたものを使っているので割れなどの不具合はありませんでしたが、目地のシーリングに劣化があったようで、ご自分で市販のシーリングを買ってきて補修されていました。はみだしなどがあり見た目があまりよくない状態です。
④外壁の現況~北面~ 一部塗膜のはがれが見られます
北面の状況です。
高いところに塗膜のはがれが見られました。この部分の室内は2階のトイレと廊下ホールです。見えているフードがトイレの換気扇フード、白い配管カバーがエアコンのものです。何らかの水が絡んでいるとは思いますが、水がまわるところではありません。足場を架けて状況が分かるようになったら詳細にチェックします。
北面の目地の状況です。
シーリングがサイディングボードからはがれて大きく口を開けていました。窯業系サイディングは昼夜の寒暖差、年間の寒暖差で伸縮します。シーリングの剥がれはサイディングボードの伸縮についていけず剥がれてしまったものと思われます。
⑤外壁の現況~西面~ 目地にずれが見られます
西面の状況です。
前述したように窯業系サイディングのボードは寒暖差で伸縮します。その伸縮が原因で目地にずれが生じています。このずれは修復不可能です。また、こちらもDIYで補修された痕がくっきりと残っています。
こういったDIYでの補修は実は我々にとって厄介なものです。まずきれいに完全に取れることはないと思います。また、塗装をする際塗料が付着しにくい材料を使っていると思います。シーリングの上に塗装をすることはよくあるのですが、変成タイプのシーリング材でないと塗料が付着しません。一般的なシーリング材よりも値段が高いため、売り場に行っても変成タイプは手に取らないと思います。従ってシーリングの補修をDIYでやられているお家は塗装をする前にきれいに掃除する必要があります。
⑥北側バルコニーの現況 床面の防水塗装が剥がれています
北面にちょっとした屋上バルコニーがありました。バルコニーの床面はFRP防水です。FRP防水はガラスシートを特殊な塗料で固めて、トップにウレタンの防水塗装をしているものです。浴槽や船の船底などに使われている水につ用素材です。バルコニーの場合は風雨や紫外線でトップの塗装が劣化してしまいます。このバルコニーもトップのウレタン塗装剥がれていたので塗り替えが必要です。
⑦屋根の現況 大きな劣化は見られません
屋根は勾配がきつかったので(6寸勾配)屋根に上ることはできませんでしたが、見える範囲でチェックしました。ガルバリウム鋼板の長尺一文字葺きです。見える範囲ではありますが、サビなどの目立った劣化は見られませんでした。工事の際は屋根にも足場を架けるので、見えるようになったら詳細をチェックします。
⑧ご要望を伺ってこのような内容のご提案をしました
細かく点検をさせて頂き、ご要望を伺って次のようなご提案をさせて頂きました。
ご要望
・子供たちの代ではメンテナンスする必要がない高耐久なもの
・今の外壁の色柄は気に入っている
・しっかりした工事をしてほしい
ご提案
・外壁:しっかりした材料を使ってしっかりした工法を取られているので、カバーする必要はありません。今のデザインもお気に入りとの事なので、シーリングの打ち替えを行ったうえで、ガラスコーティングクリア塗装がお勧めです。ただ、補修痕がそのまま残ってしまう可能性があります
・屋根:高耐久のフッ素樹脂塗料がお勧めです。耐候年数は15年~20年です
・バルコニーの防水塗装の塗り替えが必要です
⑨お気軽にお問い合わせください
点検・調査・お見積もりは無料です
イトウ住建では詳細な調査点検をしたうえで、お家の症状にあったご提案をしています。点検、調査、お見積もりは無料です。その後のしつこい営業も致しません。お客様のご都合で結論を出していただいて結構です。お気軽にお問い合わせください。