お家の外壁は一年中、昼夜問わず私たちの暮らしを雨風から守ってくれています。外壁の塗装などのメンテナンスはしなければいけないということは皆さんご存じかと思います。でも今雨漏りしてるわけじゃないからとか、壁が剥がれているわけじゃないからといった理由で先送りしていませんか?もう一度外壁を見に行ってください。もしかしたら外壁からのSOSのサインが出ているかもしれません。そんな外壁から出るSOSのサインをお伝えします。
チョーキング(白亜化)
●対象外壁材:すべての外壁
外壁の表面を触るとチョークの粉状の汚れが付く現象のことをチョーキングと言います。これは平たく言うと太陽の紫外線で塗膜表面が壊されて、顔料(色を付ける成分)が浮き出たものです。外壁は多くの場合塗装で表面を保護しています。チョーキングが出てきてもそのまま放置していると、この保護機能が失われ外壁の傷みが進み、メンテナンス費用が大きくなっていきます。チョーキングは外壁からの初期のSOSです。チョーキングが出始めたら大きな工事になる前に塗り替えなどのメンテナンスをお勧めします。
築10年もしくは前回の塗り替えから10年くらい経っていたら一度確認、点検してください。
◆メンテナンス方法:塗装
シーリングの劣化
●対象外壁材:窯業系サイディング・ALC(パワーボードなど)
シーリングとは外壁材同士のつなぎ目の目地や、窓周りに打たれているゴム状の充填剤です。これも太陽からの紫外線により亀裂が入ったり、痩せたりします。また、外壁材の伸縮についていけずに剥離するというケースもあります。シーリングは防水の役割を持っていますが、劣化すると防水機能が失われ雨水が入り外壁を中から壊してしまいます。細かい亀裂や剥離などがあったら早めのメンテナンスが必要です。
◆メンテナンス方法:シーリングの打ち替え・増し打ちをした後、塗装
ひび割れ クラック
●対象外壁材:モルタル・窯業系サイディング
クラックの原因は外壁材の伸縮や、地盤の動き、地震など様々です。構造体に影響があるような大きなクラックは塗装でのカバーはできませんが、細かなクラックは塗膜が割れていることが多いです。ヘア(髪の毛)クラックと言われる細かなクラックは塗装でカバーできます。ただ、クラックを発見したら専門家にご相談ください。
◆メンテナンス方法:ヘアクラックの場合 エポキシ樹脂充填後、塗装
サイディングボードの反り 変形
●対象外壁材:窯業系サイディング
窯業系サイディング(セメントに繊維質を混ぜて成型した外壁材)の場合、昼夜の寒暖差で伸縮します。サイディングボードの厚みが足りないと(12mm以下)伸縮時にボードが反ってしまいます。シーリングを打ち直して、ボードを止めなせば塗装可能ですが、あまり長持ちしないようなら上から金属サイディングを張るカバー工法をお勧めします。これも専門家にご相談ください。
◆メンテナンス方法:ボードの補修後、塗装 または 金属サイディングの重ね張り
凍害 爆裂
●対象外壁材:窯業系サイディング、ALC
爆裂は劣化したシーリングや塗膜から水が入り、冬に凍結し体積が増えて壁内部から壁を壊す現象です。爆裂まで進むと塗装でのメンテナンスは難しくなります。原因を突き止めて水の侵入をモルタルで補修してから塗装することもできますが、塗膜の剥がれなどはどうしても起きてしまいます。金属サイディングのカバー工法をお勧めします。
◆メンテナンス方法:金属サイディングのカバー工法
まずはご相談ください
以上が皆さんでも確認できる外壁からのSOSの代表的なものです。このくらいならまだ大丈夫などとご自分で判断せずに、SOSをキャッチしたらまずは専門家にご相談ください。症状、構造、原因などあらゆる角度から診断して、適切なメンテナンス方法をご提案させていただきます。
最後に、塗装する最適な季節は?とよく質問を受けます。塗料の仕様書に気温5℃以上、湿度85%以下と謳っています。年間を通してやはり春秋が最適だと思います。従って、春秋は繁忙期でもあります。早めにご決断していただき、いい季節を予約してしまうことをお勧めします。