今まではアクリルやシリコン、フッ素などの有機物の樹脂系塗料が主流でしたが、ここ数年で無機塗料の開発が進みました。塗料メーカー各社無機塗料を販売しています。でも無機塗料と一言で言っても、そもそも無機塗料って何?無機塗料を使うことでのメリット、デメリットは?そのあたりを解説していきます。
無機塗料とは
無機物はガラスや鉱石のことで、紫外線に強い、非常に硬い、燃えにくいという性質を持っています。無機塗料はこの無機物を配合した塗料ということになります。つまり無機100%の塗料ではないということです。ガラスや石を外壁には塗れないですよね。簡単に言うと無機塗料とはシリコン樹脂塗料やフッ素樹脂塗料に無機物を混合させた塗料です。無機塗料の主成分はセラミックやケイ素で、メーカーによってはセラミックを商品名に組み込んでいるところもあります。
無機塗料のメリット
メリット① 耐候年数が長い(長持ちする)
20年~25年の対候性があります。シリコンで12年~15年、一般的なフッ素で15年~20年なのでフッ素樹脂塗料以上の対候性があります。
メリット② 防藻、防カビ(藻やコケカビが付きにくい)
藻やコケ、カビの栄養になる有機物の含有量が少ないので繁殖しにくいという特徴があります。
メリット③ 防汚性(汚れにくい)
親水性を持っていて、壁面と汚れの間に雨が入り込むので汚れが付きにくい性質を持っています
メリット④ 難燃性(燃えにくい)
ガラスや石が燃えにくいのと同じように、無機成分が入っている無機塗料は燃えにくいという性質を持っています。
無機塗料のデメリット
デメリット① 値段が高い
シリコン樹脂塗料で1㎡あたり3000円前後、フッ素樹脂塗料で4000円前後に対して、無機塗料は5000円前後と高額になります。100㎡塗装するとシリコン樹脂塗料と無機塗料では20万円くらいの差になる計算です。
デメリット② 知識、技術を要する
無機塗料に限ったことではありませんが、高価な塗料になればなるほど職人の知識と技術が必要になります。簡単には塗れないということでDIYには特に向いていません。
デメリット③ 無機塗料の定義が確立していない
今現在、無機成分が何%入っていれば無機塗料という定義が確立していません。ほんの少しでも無機成分が入っていれば無機塗料と謳えるわけです。粗悪なものも存在するかもしれません。(特にオリジナル塗料と言っている塗装屋さんは注意)
ガラスコーティング塗料
ガラスコーティング塗料というものがあります。身近では車のボディ塗装に使われていたりします。これは限りなく無機に近い塗料です。上述した無機塗料以上の対候性がありますが、長持ちする塗料=値段が高い、耐候年数と値段は比例するということが言えます。このガラスコーティング塗料は数社で出していますが、弊社ではWorldWise株式会社のC-1グラスシリーズが施工実績があるガラスコーティング塗料です。
上の画像は日本3大塗料メーカーが出している無機塗料です。
左から関西ペイントアレスダイナミック無機、日本ペイントパーフェクトセラミックトップG、SK化研スーパーセラタイトです。
無機塗料はまだ世に出てから間もないので実績は未知ですが、大手メーカーが出しているのである程度信頼ができる塗料だと思います。ご予算やライフサイクルを考慮して選択肢の一つにしてもいいと思います。