松本市外壁塗装|窯業系サイディングは塗装以上にシーリングのメンテナンスが必要
- 外壁塗装
- シーリング打ち替え
施工概要
- 施工内容
- 外壁塗装
シーリング打ち替え - 使用材料
- 外壁塗装
AGCコーテック
ルミステージ水性GT
シーリング打ち替え
オート化学工業
オートンイクシード - 工事期間
- 1か月
- 築年数
- 25年
- 建坪
- 外壁面積 163㎡
シーリング 252m - 保証年数
- 外壁塗装 メーカー保証10年
- ご依頼のきっかけ
- 外壁塗装のお問い合わせで下見に伺いました。窯業系サイディングの外壁で外壁面の塗り替えは必要でしたが、それ以上に盤間目地のシーリングの劣化が目立ち、こちらの打ち替えが急務でした。
- 工事費(総額)
- 1,800,000円
- 地域
- 松本市
松本市で行った外壁塗装、シーリング打ち替え工事をご紹介します。
外壁は窯業系(ようぎょうけい)サイディング、セメントと繊維質を混ぜて高温高圧で板状に成型した外壁材です。これを何枚か繋げながら貼っていく外壁が窯業系サイディングです。繋げながら外壁にしていくのでジョイント部分に目地ができます。このジョイント部分の目地を埋めるのがシーリングです。最初はペースト状ですが固まるとゴム状になる防水材です。
窯業系サイディングの表面は塗り替えのタイミングでしたが、それ以上にシーリングの劣化が目立ちました。シーリングの劣化は防水性の低下につながるので、外壁の塗り替え以上にシーリングの打ち替えが急務でした。
施工前外壁の様子
施工前の外壁の様子です。シーリングはサイディングボードのジョイントだけでなく、窓周りなど窯業系サイディングボードと他の素材がぶつかるところにも打ちます。写真は窓周りのシーリングの状態です。サイディングボードは寒暖差で伸縮します。その伸縮にシーリングがついていけなくなるとこのように剥がれてしまいます。ここに結露の水が入るとその水が凍結、融解を繰り返して外壁材が壊れる爆裂という現象が起きてしまいます。
こちらはサイディングボードの板間目地のシーリングの劣化です。シーリングは紫外線や風雨、寒暖差で劣化していきます。シーリングの硬化からのクラック、ボードの伸縮についていけずに剥がれなどが起きています。こちらもここから雨水が入って爆裂につながってしまいます。
外壁の塗膜が劣化して白い汚れが手に付くチョーキングが起きると塗装するタイミングのサインなのですが、チョーキングが発生しても直接水が入ることはありません。しかしシーリングの劣化は水の侵入に直結して、深刻な外壁のトラブルになりかねなません。塗り替え以上にシーリングのメンテナンスが必要とはそういうことです。
外壁北面にコケが発生しています。特に北面にはよく見られる現象です。コケの発生もすぐに深刻なトラブルにつながるということではありませんが、いい状態ではないことは確かです。高圧洗浄をすれば落ちるので心配ありません。
工事の様子です。まずは高圧洗浄をして外壁の汚れを洗います。洗浄にはホームセンターや家電量販店などで市販されている電動の高圧洗浄機ではなく、写真のようなガソリンエンジン式の高圧洗浄機を使います。電動の洗浄機は欲しい水圧を得るためにホースを細く絞らなければなりません。そうすると洗いムラができてしまいます。紙をボールペンで塗りつぶすイメージです。きれいに塗れずに塗りムラができると思います。ガソリンエンジン式の洗浄機はホースを絞らなくても水圧を得ることができます。筆で紙を塗りつぶすイメージです。塗りムラなく塗ることができると思います。
外壁塗装を行う場合はほとんどのケースで足場が必要です。この足場を有効活用するために外壁だけでなく足場が必要なところの塗装もセットで行うのが一般的です。その一つが軒天の塗装です。軒天は上裏(あげうら)とも言って屋根の出の裏側のことです。軒天は塗装面が下を向いているので塗料が垂れてしまいます。垂れた塗料が外壁を汚すので、外壁を塗る前に先に軒天を塗装します。使用する塗料は透湿性のある塗料を使います。今回使用した塗料は関西ペイントのワイドグリップ、漆喰にも使える透湿性がある水性塗料です。
外壁塗装に入ります。外壁塗装は下塗り、中塗り、上塗りの3回塗りで仕上げるのが一般的です。今回も3回塗りで仕上げました。1回目の塗装の下塗りです。下塗りには下塗り用の塗料を使います。今回使用した塗料はAGCコーテックの外壁用下塗り材、ボンフロンHBサーフェーサーです。窯業系サイディングが伸縮する動きに追従する弾性のある水性塗料です。下塗りは塗装面と塗料の密着を高める接着剤の役割があります。
2回目の塗装の中塗りです。中塗りは塗料の持つ防水性や防汚性、防藻性などの機能を塗装するイメージです。使用した塗料はAGCコーテックのフッ素樹脂塗料、ルミステージ水性GTです。塗装後10年経っても塗りたてのツヤを維持するという実績のある塗料で、橋梁や有名建築物、航空機の塗装にも使われている信頼できる塗料です。
3回目の塗装の上塗りです。塗料は同じくルミステージ水性GTを使っています。外壁塗装は水性塗料を使うのが一般的です。弱溶剤系(油性)の塗料はシンナー臭がしばらく残ってしまいます。体調不良を訴える方もいらっしゃいます。水性塗料はそのようなことがないので、外壁塗装は水性塗料です。ちなみに屋根塗装は逆に弱溶剤系(油性)の塗料を使います。常に紫外線や風にさらされている屋根なので油性を使うのと、屋根ならシンナー臭がすぐに揮発して抜けるからです。
上塗りは塗料の機能を塗るとともに色やツヤを落ち着かせるための塗装です。
外壁塗装が終わると雨樋、破風、鼻隠しなどの付帯部を塗装します。雨樋は屋根から流れてきた雨水を排水する設備で横に走る軒樋と縦についている竪樋があります。破風(はふ)は切妻屋根の側面で斜めになっている部分です。風よけという役割があるので破風といいます。鼻隠し(はなかくし)は軒樋がついている面で屋根の先端のことを言います。屋根の構造体の垂木(たるき)の先端(鼻先)を隠すという意味で鼻隠しと言います。
外壁塗装の後にシーリングの打ち替えを行います。シーリングの打ち替えを塗装前にするか、後にするかは大きな違いがあり、塗装前に打つとシーリングの上に塗料が乗るのでシーリングの劣化を抑えることができます。ただ、上に塗る塗料はシリコン樹脂塗料でなければなりません。シリコン樹脂塗料は塗膜が柔らかいのでシーリングの動きに追従できるからです。
今回は使用した塗料がフッ素樹脂塗料でした。フッ素樹脂塗料は塗膜が固いのでシーリングの動きに追従できずシーリングの上の塗膜が割れてしまいます。そのためフッ素樹脂塗料を塗装する場合はシーリングは後打ちをします。まずはカッターでシーリングの両サイドを切ります。シーリングは2点接着と言って奥側は接着されていないので両サイドにカッターを入れるだけで簡単に撤去することができます。
窓周りのシリングも同様にカッターを両サイドに入れててもしくはペンチのようなもので剥がしていきます。
目地の両サイドにマスキングテープを貼ってシーリング材のはみだし防止の養生をします。養生の良し悪しで仕上がりがきれいになるかどうかが決まります。サイディングの凹凸に合わせて不陸がないように丁寧に貼っていきます。
専用のガンで目地にシーリング材を注入してヘラなどで均します。
シーリング材が乾く前に素早くマスキングテープをはがします。外壁に塗装して塗料と色を合わせてシーリング材を用意したので、あまり目立つこともなくきれいに仕上がっています。
以前のシーリング材は塗料よりも劣化が早かったので、特に後打ちしたシーリングは次の外壁塗装をする前に打ち替えなければならなかったのですが、シーリングの耐久性も上がり今では外壁塗料と同等の耐久性があります。長期間の耐久性が期待できます。